私は市議会議員として、定期的に市政の報告をお届けしています。

しかし、その印刷代・封筒代・郵送料まで、すべて自費で賄っています。
我が市議会では、政務活動費を活動報告に使うことができません。
個人でなく会派に支給されるからという理由と、
かつて「活動報告は正常な議会活動ではなく、自己の宣伝だ」として、
裁判で返還命令が出た判例があり、それが前例となっているためです。
また、国会議員のような旧文通費の制度も地方議員にはありません。
つまり、議員の懐事情によって情報発信の量や質に差が出てしまうのが現状です。
「ネットで発信すればいい」『紙の無駄遣いだ』というご意見もあります。
確かに、SNSやWebの活用は重要です。
しかし、ネットを使わない高齢世代やデジタルに不慣れな方々も多く、
デジタルデバイド世代への発信には、現時点では紙とネットの“ダブルスタンダード”が必要だと考えています。
「議員が何をしているかわからない」
「市政が遠い存在に感じる」
そんな声や、低投票率の背景には、こうした情報格差もあるのではないでしょうか。
市民に情報を届けることは、議員の責務です。
それを“自己宣伝”と切り捨てる今の制度に、疑問を感じます。
もっと開かれた政治、もっと伝わる政治のために、見直しが必要です。